一分一秒を大切に励む 東京大応援部が見いだした覚悟

大学応援団は今④

 新型コロナウイルスの影響で中止が相次ぐ学生スポーツ。選手とは別に、晴れの舞台を失ったのが大学応援団だ。8月10日開幕の東京六大学野球春季リーグも応援禁止が決まった。各大学のリーダー責任者が思いを語った。

阪倉龍一郎さん(東京大学運動会応援部リーダー長)

 「中学、高校と野球をしていました。1浪して東大の文科2類に。野球ではチームでひとつの目標に向かっていくことに、やりがいを感じていました。でも、自分は控え。運動神経とは違うものを求められる部活がないか探し、応援部に巡り合ったのです」

 「両親には猛反対されました。『何しに東大に入ったんや』と。両親は、昭和の応援団をイメージしていたのでしょう」

 一般の人が抱く昭和の応援団のイメージは、怖い、厳しい、といったところか。暴力もつきまとう。当時、多くの団員、部員の愛読書は、漫画「嗚呼(ああ)!!花の応援団」だった。映画化もされ、嗚呼で「ああ」と読むことが世の中に浸透した。

拡大する東京大学運動会応援部リーダー長の阪倉龍一郎さん(手前、経済学部金融学科、大阪星光学院出身)。昨年秋の神宮、3年生のときに、チャンスパターンの核になる「ビクトリーマーチ」の突きをしているところだ(同部提供)

 ただし、それは昔の話。現在は、厳しくはあるが、さわやかで、すがすがしく感じる場面も多い。

 そして、暴力は厳禁である。

 「応援部に入って、最初は戸惑いました。こんにちはは『ちわっ』。先輩からごちそうになったら『どうも、ごっつぁんでした』。スマートさ不要、気合重視、厳しい上下関係。そういう応援部の文化に、それまで触れてこなかったものですから」

 東大応援部のリーダー幹部は4…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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