家族4人が殺害された2000年12月の世田谷一家殺害事件は31日で発覚から20年になる。殺人の公訴時効が10年に撤廃されなければ、15年末で時効を迎えていた。各地の遺族が手を取り合って声を上げたことで実現した時効撤廃。彼らを陰で支えたのは世田谷事件の捜査を警察署長として指揮した男性だった。「捜査を続けられる体制はご遺族が整えた。警察は威信にかけて解決して欲しい」と期待をかける。
土田猛さん(73)は、警視庁が世田谷事件の捜査本部を置く成城署で05年10月から署長を務め、07年3月に定年退職した。
重大事件の解決は国民の体感治安を左右すると言われ、警視庁にとってこの事件は最重要案件の一つとされる。
署長時代、解決の糸口を決して見逃さないため、1日も欠かさず署員にこの事件の話をしたという。街のパトロール、交通事故の処理、空き巣の捜査、警察署での来客対応――あらゆる現場で意識してほしかったからだ。自身も交通安全や犯罪抑止のイベントでは必ず、市民に情報提供を呼びかけた。捜査も従来とは違う切り口で聞き込みをするなど、試行錯誤を繰り返した。
引退後も事件が頭から離れず…
未解決のまま退職したが、署を去る際、自身に「やるべきことはやった」と言い聞かせた。気持ちの整理はできたはずだった。
しかし、引退しても頭から離れ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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