福岡市東区で2003年に松本真二郎さん=当時(41)=一家4人が殺害された事件で、強盗殺人罪などで死刑が確定した中国人の元専門学校生、魏巍死刑囚(40)=福岡拘置所=の刑が26日午前、執行された。森雅子法相が同日、発表した。刑の確定から8年。死刑執行は今年8月以来で、現安倍政権以降では17回目、計39人。未執行の死刑確定者は112人となった。
10月に就任した森法相の下では初の死刑執行。記者会見で森法相は「幸せに暮らしていた家族全員を殺害した極めて冷酷かつ残忍な事件。被害者はもちろんご遺族にとっても無念この上ない事件だと思う」と述べた。
確定判決によると、魏死刑囚は中国人2人と共謀し、03年6月20日午前0時すぎ、強盗目的で松本さん宅に侵入し、幼いきょうだいを含む家族3人を殺害。帰宅した松本さんの首を絞め、4人の手足に重しを付けて博多港に遺棄し、現金約3万7千円などを奪った。松本さんは溺死だった。
05年5月の一審福岡地裁判決は、魏死刑囚が共犯2人の指示に従っていた側面を指摘しながら、3人の殺害に直接関わったことなどを踏まえ「従属的とまではいえなかった」と判断。「周到に準備を重ねた計画的犯行。身勝手かつ冷酷非情な動機は許しがたい」として死刑を言い渡した。
07年3月の福岡高裁判決も一審を支持。最高裁は11年10月、「金品目的のためには生命の尊さを意に介さない極めて冷酷、残忍な犯行で結果も重大」として上告を棄却し、死刑が確定した。
共犯の2人は事件後に帰国し、中国当局に逮捕された。1人は05年に死刑が執行され、残る1人は自首などを理由に無期懲役が確定した。
西日本新聞社
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