杉浦奈実
「いい夫婦の日」の11月22日、夫婦が相手に気持ちや日頃の感謝を伝える手紙のコンクールの表彰式が熊本県菊池市の市中央公民館で開かれた。同市中心部の地名「隈府(わいふ)」と、英語で妻を意味する「ワイフ」をかけ、「おしどり夫婦の里」として毎年募集している。作品は来年1月まで、市内で展示する。
コンクールは今年で18回目。全国各地から、手紙の部に121作品、絵手紙の部に89作品が寄せられた。
福岡県大牟田市の岩本しんじさん(67)は、絵手紙の部に参加。2本の木が抱き合うように向かい合う姿に「いつからか一本の樹(き)になった」ということばを添え、佳作に選ばれた。長く一コマ漫画などは描いてきたが、絵手紙は初めての挑戦だった。
表彰式には妻のみや子さん(72)と出席。50年近くの結婚生活の中で、子どもたちが巣立って2人で過ごす今が「一番充実している」とみや子さん。しんじさんは、みや子さんが病気になると「自分も半分死んでしまったような気持ち」になるといい、「夫婦で一つの気持になっている」感じを絵に表したという。
絵手紙のモチーフにしたのは自宅の庭にある大きな木だ。しんじさんが「現実には、僕がかみさんについているツタみたいな関係」と冗談めかすと、みや子さんがすかさず「うそばっかり」と合いの手を入れた。
作品は、12月19日まで菊池市中央公民館、同21日から来年1月5日まで菊池観光交流館で展示される。(杉浦奈実)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル