甲子園球場のグラウンド5個分以上、約7ヘクタールにも及ぶ茶畑が、豊かな自然が残る兵庫県神河町の山中にあります。でも農家の高齢化などで、一時は存続の危機に立たされました。そこで脱サラをして、都会から移住した若者が茶畑を1人で借り、栽培を引き継ぎました。それから4年。今回は、そんな男性を巡るストーリーです。
カンサイのカイシャ ここがオモロイ!
兵庫県中部の神河町。緩やかな山の斜面に、初夏の日差しに照らされた緑が広がる。「やぶきた」という国内で最も人気の品種の茶畑だ。
神戸市出身の野村俊介さん(44)は、一目見て心を打たれた。「こんなに素晴らしい茶畑があるんだ。ぜひ自分が引き継ぎたい」
公務員の家庭で生まれ育った。姫路工業大(現・兵庫県立大)の大学院で金属材料について学び、「県内で有名な会社だから」と医療機器大手のシスメックス(本社・神戸市)に営業職で入社。東京や神戸で働き、仕事は楽しかった。
野村さんが一目ぼれした茶畑は、実は由緒のあるものでした。地域に飛び込み、一からノウハウを学んでいきます。
だが、「もっと面白い生き方…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル