「時速194キロを出していたのに、危険運転ではなく過失運転なのか」――。昨年2月、大分市内の一般道で法定速度(時速60キロ)の3倍を超す194・1キロで運転していた元少年(当時19)の乗用車に衝突され、その後死亡した会社員小柳憲さん(同50)の遺族らが14日、同市内で会見し、大分地検の起訴内容に憤った。危険運転致死罪の適用は立証の壁が高く、遺族が抱く処罰感情との隔たりも指摘される。小柳さんの遺族らは、被告の訴因変更を求めていくという。
事故は昨年2月9日午後11時ごろ、大分市里の港湾道路で起きた。交差点を右折中の小柳さんの乗用車と、対向車線を直進してきた元少年の乗用車が衝突。小柳さんは全身を強く打ち出血性ショックで死亡、元少年も重傷を負った。
元少年は昨年4月27日付で、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)の疑いで書類送検され、同5月7日付で大分家裁に送致。少年法に基づき、元少年が20歳になったため家裁は同5月19日付で逆送した。
大分地検は今年7月22日、書類送検された同法の危険運転致死ではなく、過失運転致死の罪で大分地裁に起訴した。起訴状では、元少年は安全確認が不十分のまま漫然と時速194・1キロで交差点に進入した過失で、対向を右折進行してきた男性の乗用車に直前になって気付き、急ブレーキをかける間もなく、衝突。車外に放り出された小柳さんを死亡させた、とされる。
「危険運転」適用の壁
捜査関係者によると、危険運転致死罪は高速走行だけでは成立せず、被告に危険の認識があったことに加え、事故発生時に車の進行を制御することが困難だったことが要件とされる。
遺族によると、7月20日に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル