6年前の4月16日未明に、2度目の最大震度7を観測した「本震」が襲った熊本地震の被災地。地震で被災したインフラの復旧や、今も仮設住宅で暮らす人たちの自宅再建が続く。
本震では熊本県南阿蘇村の阿蘇大橋が崩落。熊本市内と阿蘇地域を結ぶ主要ルートだった国道57号も一部不通になった。2020年10月には国道57号が2ルートで復旧し、21年3月には新阿蘇大橋が開通した。
一部区間が不通だったJR豊肥線は20年8月に全線で運行を再開。不通区間が残る南阿蘇鉄道は23年夏の全線再開を目指している。
熊本県によると、道路や橋、下水道などの一部で復旧工事が残っているという。
仮設住宅では、今も37世帯、95人が暮らす。蒲島郁夫知事は今月15日に県庁であった「復旧・復興本部会議」で、住まいの再建を「最重要課題」とし、「時間的緊迫性をもって臨む」と述べた。
地震の記憶や教訓を次世代に伝える取り組みも始まる。農学部の学生3人が犠牲となり、校舎が被災した当時の東海大の阿蘇キャンパスは「地震震災ミュージアム」の中核拠点として23年夏の開業を予定している。(大貫聡子)
16日は未明から、被害が大きかった阿蘇地域などで多くの人が、亡くなった人たちに思いをはせた。6年前の記憶を風化させまいと、活動する人たちもいる。
住民2人が犠牲になった熊本県南阿蘇村立野の新所(しんしょ)地区では、遺族と住民約30人が慰霊碑の前で七回忌の法要を営んだ。
6年前の本震後、九州電力黒川第一発電所の貯水槽が壊れてふもとの家屋に大量の水と土砂が流れ込み、9世帯が住む9軒が全半壊。片島信夫さん(当時69)と利栄子さん(同61)夫婦が亡くなった。
地震の被害に遭い、村の外に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル