群馬県館林市の西側に位置する多々良沼の名前は、かつてこの地で行われていた「たたら製鉄」の「たたら」に由来している――。そんな地元の伝説が事実だったことが市教育委員会の調査でわかった。沼から採取した遺物を分析したところ、製鉄が行われていた事実が確認できたという。時期は伝説よりも古い奈良から平安時代と推定された。
市教委文化振興課市史編纂(へんさん)センターによると、冬場に水位が下がった北岸の沼底から、「金糞(かなくそ)」(製鉄の時に流れ出る鉄の滓(かす))や製鉄で使われた炉の一部とみられる遺物を採取し、研究機関で分析した。遺物に含まれる植物成分から年代も測定した。
この結果、金糞は砂鉄が原料の精錬滓(せいれんさい)と推定された。砂鉄は渡良瀬川流域の砂鉄と似た成分で、近くで採取した原料を使ったとみられる。
炉とみられる破片には金属鉄…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル