約400年の歴史を持つ京都の老舗料亭「瓢亭(ひょうてい)」が、16日からラーメンのネット通販に乗り出す。懐石料理で出すタイの骨を使った特製で、1箱2食入りで5400円(税込み)。コロナ禍を乗り切るため、20代の料理人が中心になって開発した自信作だという。
京都・南禅寺近くに店を構える瓢亭は、夕食で懐石料理を食べれば、先付けから始まって、明石タイのお造りや焼き物など10品ほどで、平均3万円ほどかかる。ミシュランで最高位の三つ星を得る名店だ。
売り出すのは「鯛(たい)ラーメン」。タイの骨を活用し、野菜などと煮込んでスープにした。タイの切り身や九条ネギ、八丁みそを入れた麩などをトッピングとしてつける。
きっかけは、コロナ禍による休業や客の減少だ。15代当主の高橋義弘さん(46)が4月、LINEで15人ほどいる料理人に「アイデアや工夫があればなんでも提案を」と呼びかけた。20代の若手から「ラーメン」との大胆な意見が出た。
舌に味が残るため、普段はラーメンを食べないという高橋さんだが、「老若男女、国籍問わず食べてもらえる」と提案に乗った。約2カ月試作。すっきりして、こくもある味に仕上がったという。
価格は高いが原価も高く、もうけは少ないという。8月からクラウドファンディングサイトで先行して限定販売したところ、約1千食が売れた。高橋さんは「飲食業界に少しでも刺激になれば」と話す。
注文はホームページから。問い合わせは同店(075・771・4116)へ。(高井里佳子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル