紀伊半島の南を東に進んでいる台風14号が伊豆諸島に接近している。気象庁は10日午後5時に東京都三宅村と御蔵島村に大雨特別警報を出した。11日未明には大雨警報に切り替えたが、引き続き厳重な警戒を呼びかけている。
三宅村は10日午後3時25分、大雨による土砂災害などの恐れがあるとして、三宅島全域の1553世帯2388人に避難指示を出した。村によると、午後10時現在で、村内にある活動火山対策避難施設など4カ所に118人が避難しているという。
三宅島では10日午前9時前に、最大瞬間風速で30・9メートルを観測。風雨は同日夜から11日未明ごろにピークを迎えるとみられている。島内で民宿を営む男性(75)によると、10日夕方には横殴りの雨が降り続けて、時折窓が強風でカタカタ揺れたという。男性は「外に出ると雨が痛く感じる。昨年秋の台風19号の方が風雨は強かったが、これから更に強まると思うと不安だ」と声を落とした。
島内でペンションを経営している沖山厚子さん(58)は、敷地内にある足置きが雨で流された。昨年秋の台風ではスキューバダイビングの機材干し場が倒壊し、今年の大型連休を前に復旧させたという。「島は台風が多いとは言え、また倒れないかどうか心配です」と話す。
御蔵(みくら)島でも同日午後4時に避難指示が出された。対象世帯は174世帯313人で、午後10時現在で102人が避難しているという。(軽部理人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル