火山島の三宅島を月に見立てて、月面探査車の研究用モデル機を走らせる実験がこの秋に同島であり、その内容が13日、東京都内で報告された。細かい砂地の上でもタイヤを空転させずに走る自動車の制御技術が生かされている。この技術を搭載した車で現地を走るツアーの募集も併せて発表された。
報告したのは宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日産自動車と三宅村。JAXAと日産は月面探査車の共同開発を2020年から開始。今夏発売した日産のSUV「エクストレイル」のモーター制御技術「e|4ORCE」を活用した研究用のモデル機を作った。その実験場所に選ばれたのが三宅島。玄武岩質の滑りやすい砂地が広がり、月面と似た環境と認められた。今年9月には今回のモデル機で、初の屋外実証実験をした。今後も継続していくという。
日産の岡部龍太チーフマーケティングマネージャーは「四駆車の快適性を求めた技術を、月面という究極のオフロードで発揮させたい」。JAXA宇宙イノベーションハブの須藤真琢(まさたく)さんは「地上の技術を活用し宇宙に必要な技術開発をすると同時に、地上の技術革新も促したい」と話した。
三宅村と日産は月面をテーマにした島内ツアー「MOON―TRAIL TOURISM」を来年3月4~5日に催すことも発表。吉田稔彦副村長は「月に似た風景は島中にある。来島し、見て楽しんでほしい」。詳細は募集サイト(https://www2.nissan.co.jp/SP/X-TRAIL/MOON-TRAIL-TOURISM/
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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