第33回三島由紀夫賞・山本周五郎賞(新潮文芸振興会主催)の選考会が17日、東京都内のホテルで開かれ、三島賞は宇佐見りんさん(21)の「かか」(河出書房新社)、山本賞は早見和真(かずまさ)さん(43)の「ザ・ロイヤルファミリー」(新潮社)に決まった。賞金は各100万円。
デビュー作で最年少受賞となった宇佐見さんは、静岡県生まれの大学2年生。受賞作は、父との離婚を機に心を病んだ母と、それを受け入れきれない19歳の長女の愛憎を描く。方言に似た独特の言葉遣いが高く評価され、「自分にしか書けないものを、ちゃんと自分の言葉で書いていければ」と喜んだ。
早見さんは神奈川県生まれ。受賞作は、馬主として競馬にすべてを託し、夢を追い続ける社長とその息子たちの姿を、傍らで支え続けたマネジャーの丁寧な語りで描く。「認めてもらったことに恥じないように、気を抜かずに書いていきたい」と話した。
選考会は例年5月に開かれるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されていた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル