臼井昭仁
「スタートウイズ ナインミリオン(願いましては900万なり)……」。英語で読み上げた7~14ケタの数字をそろばんで計算する英語読み上げ算。昨年12月、名古屋市であった英語珠算競技大会で三重県志摩市の鵜方小学校6年、鈴木蒼亜(そあ)さん(12)が小学生の部で優勝した。昨年は難関の暗算10段の合格も果たしている。
同大会には、東海地方を中心に小学生から一般の159人が参加し、うち小学生は119人。100万の位から十兆の位までの七つの数字が英語で読み上げられ、そろばんを使って足したり引いたりする。計算能力に加え、聞き取る力も必要だ。
鈴木さんは同じ日、3秒間に15回現れる3ケタの数字を暗算して答える「フラッシュ暗算」でも優勝している。
志摩市阿児町にある関西珠算学院で5歳からそろばんと英語を学んでいる。「始めてみたら楽しくて夢中になった。電卓を使わなくてもすぐに計算できるし」と鈴木さん。週5日通い、冬休みや春休みには6時間、8時間にも及ぶ「特練」もある。
昨年7月にあった全国珠算教育連盟主催の検定試験では最高段位、暗算10段に合格している。5593人中15人という狭き門だった。「中学校に入っても続けて、全国大会でもっと優勝できるようにしたい」と意欲を燃やしている。
関西珠算学院では、他にも鵜方小6年生の小川詩巴(うたは)さん(12)と同、北野心葉(このは)さん(12)が暗算10段に合格している。学院長の大屋雅世さん(46)は「忍耐力、集中力もさることながら、結果を出すため努力をするという姿勢が素晴らしい」とたたえている。(臼井昭仁)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル