上場企業との取引を装い、融資詐取か 元社長ら起訴 大阪地検特捜部

浪間新太 堀之内健史

 大手家電量販チェーンとの取引を装うなどして銀行から多額の融資をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は22日、家庭用給湯器の設置・販売会社「イースター」(横浜市)の元社長、松島康倉容疑者(47)を詐欺罪で起訴した。特捜部は認否を明らかにしていないが、関係者によると、黙秘しているという。

 特捜部や関係者によると、松島容疑者は、家電量販店「ジョーシン」を展開する「上新電機」や、家電量販店チェーン「エディオン」などの上場企業と取引があるように粉飾した決算報告書を作成。2019年11~12月、神奈川県に本店を置く銀行に提出し、計5億4千万円の融資をだまし取ったとされる。

 松島容疑者は自社の信用を高めて融資を受けやすくするため、上場企業と取引があり、業績が好調だと装った決算報告書や、報告書の内容に沿うような発注書や請求書、通帳を作成し、銀行側に提示。家電製品を仕入れ、上場企業への売り上げで返済すると虚偽の説明をして信用させて大口融資を引き出したという。

 特捜部は、共謀して融資をだまし取ったとして、事務機器販売会社「FEP」(大阪市)の木下直義元社長(59)も詐欺罪で在宅起訴し、発表した。関係者によると、松島容疑者が受けた融資金の一部をFEPに送金後、売上金名目で自社に還流し、複数の金融機関への返済に充てたという。

 また、詐欺容疑で逮捕していた税理士法人元事務員岡山和洋容疑者(53)については、粉飾した決算報告書を作成したなどとして詐欺の幇助(ほうじょ)罪で起訴した。(浪間新太、堀之内健史)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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