「#木曜日は本曜日」。東京都書店商業組合(矢幡秀治理事長)は6日、本屋に週1回、足を運んでもらおうというプロジェクトを始めた。書店業界は今、インターネット販売などに押され、苦境にある。「本屋を愛する」著名人や作家、インフルエンサーらが選んだ本のコーナーを、木曜日が来るたびに都内各店が設けるなど、意欲的に取り組む。
後半で本屋をとりまく「三つの危機」と、発表会に登壇した上白石萌音さんの本と本屋への愛情あふれる発言の一部始終のほか、上白石さんの「人生を変えた10冊」を紹介しています。
本のネット購入が一般化する中、書店ならではの魅力を発信するのが目的だ。週の半ばに、本とゆっくり向き合う時間を持ち、週末に向けて本を選んでもらう。「本」と文字の形が似ていることもあり、SNSでの拡散を狙った「#木曜日は本曜日」というキャッチフレーズを設けた。プロジェクトを通して普及を図り、週に1回、書店に足を運ぶ習慣をつくっていきたいという。
最初にその後押しをするのは、俳優・歌手の上白石萌音さん。公式プロフィルの趣味欄では、冒頭に「読書」をあげており、白羽の矢が立った。
東京駅そばの八重洲ブックセンター本店(中央区)であった6日の発表会では、自身の「人生を変えた10冊」を披露。そのうち「アイネクライネナハトムジーク」(伊坂幸太郎著)は、書店で表紙を見て「一目ぼれ」したという。「本屋さんでじっくり本棚を見ていて、直感的に選んだ本は、好きな本になることが多い」。本と出会える場としての存在価値を語った。
上白石さんが選んだ10冊は、都内約180店で特設コーナーを設けて販売される。インタビュー動画も同組合のユーチューブチャンネルで、6日に公開した。
次の木曜日(13日)は、ネット上でラジオのように音声を配信するポッドキャスト「コテンラジオ」の深井龍之介さんが選んだ本と、動画の公開。来年2月まで20週続けて、多彩な顔ぶれが登場予定という。
■本屋をとりまく「三つの危機…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル