宮内庁は26日、上皇さまが三尖弁(さんせんべん)閉鎖不全による右心不全と診断されたと発表した。右心不全の所見は改善しつつあるというが、一体どのような状態なのか。88歳の上皇さまの体調や近況は。
6月下旬に心不全の所見
同庁によると、上皇さまは6月ごろまでに体重がやや増加。美智子さまとともに6月から数回にわたって健康診断を受診した。胸部X線検査で心拡大や胸に水がたまる「胸水貯留」が認められたほか、血液検査で心不全の診断指標のBNP値が上昇するなど、心不全の所見が6月下旬に見られた。そのため、6月末から薬の服用や水分の摂取制限、運動を控えめにするなどの内科的治療を続けてきたという。
経過について同庁は「胸水はたまるが、肺にはたまっていないということで、右の心臓、右心系に問題があることが6月の時点でわかっていた」と説明。さらに「もう少し究明する必要がある」として、7月24日に東大病院で心臓MRI検査を受けた結果、三尖弁閉鎖不全による右心不全と診断された。それまで上皇さまに自覚症状はなかったという。
三尖弁閉鎖不全とは
三尖弁閉鎖不全とは、どういうものなのか。三尖弁は右心房と右心室の間にあり、右心室から肺に送られる血液が右心房に逆流するのを防ぐ。この三尖弁がうまく閉じない状態が三尖弁閉鎖不全だ。
同庁は、上皇さまの場合は「(弁が)十分にきちっと閉じていない状態」「血液が行ったり来たりするので、静脈側にうっ血が起こりやすい状態」と説明。今後は、利尿薬により体から胸水などを抜いていく治療をする。体重や胸水の量などの経過を見ながら、いずれどこかのタイミングで再びMRI検査を受ける可能性もあるという。
一方、原因については、年齢による影響の可能性にも言及。上皇さまが2012年に受けた心臓の冠動脈バイパス手術との関連については「多分、今の時点では関係ないと思う」とした。
上皇さまの現在の状態は、胸水が減ってきていてBNP値も下がってきており、右心不全の所見は改善しつつあるという。日課である朝夕の散策は6月末から時間を少し短縮しているものの、そのほかは普段通りの生活をしているという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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