8日に乳がんの手術に臨まれた上皇后さまは、4月末の上皇さまの譲位の前後、関連儀式や地方訪問で極めて多忙な日々を送られてきた。今後は2度にわたるご転居も予定されており、宮内庁幹部は「できるだけ心身に影響がないようお支えしたい」と話す。
乳がんが見つかって以降の8月下旬、上皇后さまは例年通り、上皇さまとともに長野と群馬で静養された。「ご手術に向け、体力の回復という点でいい時を過ごされた」(側近)とされるが、最近は万全とはいえないご様子が目立つ。今月1日、都内のホールで行われた演奏会会場。東日本大震災支援などに取り組む旧知の指揮者が指揮を執る演奏会に臨席した上皇后さまは、上皇さまの左腕に支えられ、足下を確かめながら、出入り口と客席までの15段ある階段をいつも以上にゆっくりと上り下りされていた。
上皇后さまは6月の心臓検査で、弁の機能が不十分で血液の一部が逆流する「三(さん)尖(せん)弁(べん)逆流症」などの症状が認められた。心臓への負担増が疑われたが、経過観察をしながら、同月には最後の譲位関連儀式で京都に出向かれた。症状が進んだ白内障の手術も公務を優先したため、同月まで延期されていた。上皇后さまは、首の痛みや息切れなどのご症状もあり「まさに満身創痍(そうい)の状態だったが、すべての儀式を終えられるまで気丈に振る舞っていらしたのだろう」と推し量る。
上皇后さまは今回の手術後、2度の引っ越しも控えられている。まず、上皇ご夫妻が現在、お住まいの吹上仙洞御所を離れ、高輪皇族邸(東京都港区、旧高松宮邸)で仮住まいされる。その後、天皇ご一家が現在、お住まいの赤坂御所に本格的に引っ越されることになる。
側近によると、上皇ご夫妻は連日、膨大な量の身の回りの品々の整理に取り組まれているが、今秋にも予定されていた高輪皇族邸への引っ越し時期は見通せていない。上皇后さまは「御所は天皇陛下にお渡ししなければ」と、乳がんの影響で転居が遅れることを気にかけられているという。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース