土居貴輝
長崎県佐世保市の市立中学校で、1年生の男子生徒が複数の上級生から給油ポンプを尻に差し込まれ、1週間のけがをしていたことが市教育委員会への取材で分かった。市教委は、いじめ防止対策推進法で定める「重大事態」と認定。長崎県警は、傷害容疑で捜査を始めた。男子生徒はショックを受け、現在も登校できない状態だという。
市教委によると、11月中旬、昼休みに男子生徒が体育館で部活動の自主トレーニングをしていた際に、同じ部に所属する2年生数人から給油ポンプを尻に差し込まれ、肛門(こうもん)などに1週間のけがをした。ポンプは体育館の床にワックスをかける際に使われており、館内で保管されていた。
男子生徒は暴行を受けた直後に、保健室で養護教諭に被害を訴えた。学校側が男子生徒から名前が挙がった2年生部員に確認したところ、全員が暴行への関与を認めたという。学校は、同月中に全校集会と保護者会を開き、経緯を説明した。
いじめ防止対策推進法は、いじめによって生徒の心身に重大な被害が生じた疑いのある事例を「重大事態」と定義している。市教委は今回の事例を「重大事態」と認定し、調査のために第三者委員会を設置した。男子生徒の関係者が県警に被害を届け出たという。市教委学校教育課は「被害生徒の体と心を傷つけるいじめ事案が発生したことは遺憾。まずは被害生徒の心のケアを最優先に学校とともに保護者、生徒に真摯(しんし)に対応したい」とのコメントを出した。(土居貴輝)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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