下請けに自社の運送業務利用を強制 大王製紙子会社に公取委が勧告

中川壮

 下請け業者に強制的に自社の運送業務を利用させたのは下請法違反(購入・利用強制の禁止)にあたるとして、公正取引委員会は21日、大王製紙愛媛県四国中央市)の100%子会社である運送会社ダイオーロジスティクス(同)に再発防止を求める勧告を出した。

 公取委によると、同社は2021年1月~22年8月、中部支店(岐阜県坂祝町)が取引する東海地方と近畿地方の下請け2社に対し、大王製紙グループ外の荷主から受けた運送の仕事を自社に再委託するよう強制。再委託のノルマを「下請け取引の約2割」などと示し、面談して達成状況を確認していたという。

 同社はグループ各社から受注する製品や原料の運送・保管が売り上げの大半を占める。20年にグループ外からの受注を増やす方針を決めたことが背景にあるという。

 同社は公取委の調査を受け、2社が支払った約7千万円のうち、利益相当金額を返金した。再委託させた運送業務の大半は外部へ再々委託していたという。

 ダイオーロジスティクスの担当者は21日、取材に「同様の問題が起きないよう、コンプライアンス態勢のさらなる強化に努めます」と話した。(中川壮)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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