不動のゆるキャラ15歳に 年賀状18万枚、海外訪問も

【動画】ひこにゃん、誕生から15年

 彦根市の人気キャラクター「ひこにゃん」が13日、15回目の誕生日を迎えた。愛くるしい姿が人気で、ゆるキャラブームの火付け役となった。彦根への観光にも大きな役割を果たす。今も毎日3回、彦根城などに登場するひこにゃん。15年間の軌跡を振り返る。

 誕生したのは2006年。当初は翌07年に開催された「国宝・彦根城築城400年祭」のキャラクターだった。

 赤い兜(かぶと)は、彦根藩主の井伊家が武具を赤で統一した「井伊の赤備え」に由来。猫は、江戸の豪徳寺で2代藩主直孝を猫が手招きして雷雨から救ったという「招き猫」の故事にちなむ。

 京都タワーのキャラクター「たわわちゃん」を作ったキャラクター作家もへろんさんが考え出した。名前の公募には全国から1167点の応募があり、「ひこにゃん」は28人が考えた。

 人気が出たのは06年末。彦根城恒例のすす払いを手伝う姿が、テレビで放映されたのがきっかけだ。市は翌年、さらなる活躍を期待して「特別住民登録」を決定。住所は彦根城のある「彦根市金亀町1番1号」に。ひこにゃん効果で城や博物館の来場者が増えた。

 10年には彦根で開かれた第1回ゆるキャラグランプリで1位になり、人気は不動になった。同年、ふるさと納税で「みんなのひこにゃん応援事業」に5千円以上寄付すると会員になれるファンクラブも発足。会員は年々増え、20年度は1300人。寄付額は2700万円だった。

 活動場所は彦根にとどまらない。東日本大震災では被災した福島県の避難所を訪れた。市によると、09年に米ハワイの祭りで海外デビューするなど海外も9回訪問。13年にパリで開かれた日本のポップ文化の祭典「ジャパンエキスポ」では、熊本県の「くまモン」と一緒に参加した。

 毎年ファンから年賀状バレンタインデーのプレゼントもたくさん届く。その数は08年以降、年賀状は17万9187通、プレゼントは3393個にのぼる。

 誕生日の13日には約200人が駆けつけ、ファンクラブから大きなお祝いのケーキが贈られた。

 話をしないひこにゃんの気持ちを、お世話係が代弁した。「ひこにゃんを見守り、導いてくださったすべての方々に感謝します。これからも彦根市を舞台にのーんびり活動し、たくさんの方に笑顔と癒やしをとどけてくれることでしょう」(筒井次郎)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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