不器用な優しさ、五郎こそ芝居の境地 田中邦衛さん死去

 加山雄三さんの「若大将」に、高倉健さんの「網走番外地」、菅原文太さんの「仁義なき戦い」。数々の人気映画シリーズで、田中邦衛さんはスター俳優の魅力を引き立たせるバイプレーヤーとして存在感を発揮した。眼光鋭い役者が集う血なまぐさいヤクザ映画では、時折みせる目尻の下がった気弱で愛らしい表情が印象的だった。

 役者人生の転機となり、代表作となった1981年開始の主演ドラマ「北の国から」は、フジテレビが予算と期間をかけて制作した。東京から郷里の北海道・富良野に戻り、吉岡秀隆さん、中嶋朋子さんがそれぞれ演じた幼い純と蛍を育てながら、大自然の中で生きる中年男・黒板五郎を演じた。

 五郎役には、高倉さんや藤竜也さんらスター俳優も候補に挙がっていた。脚本を書いた倉本聰さんは「誰が一番情けないか」で田中さんに決めたという。

 「子どもがまだ食ってる途中で…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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