自衛隊の「食」をめぐる懲戒処分が相次いでいる。おなかが減り、ついつい食べ物に手を出してしまった――。そんな隊員の行為にはどんな背景があるのか。
「明らかな不法領得であり、このような事態を生起させたことは誠に遺憾であります」
6月30日午後、東京・市谷の防衛省。神妙な面持ちでそう述べ、頭を下げたのは、航空自衛隊トップの井筒俊司航空幕僚長だった。
どちらかしか選べない朝食で…
「遺憾」とされたのは、埼玉県の入間基地に勤務する幹部自衛官で50代の1等空尉の行為だ。4月26日午前7時40分ごろ、食堂で総菜パン2個を不法に受け取ったとして停職3日の懲戒処分を受けた。
食堂では、基地内に住む隊員に無料で食事が提供される。処分された1等空尉は基地の外に住むため、1食234円を払って利用していた。ただ、パンのセットかご飯のセットかのどちらかしか選べない朝食で、1等空尉はその両方を取ったという。
配膳係から指摘を受けた1等空尉は、余分に取ったパンのセットをその場で返却。自ら所属部隊に違反を申し出た。部隊の調べに「ご飯を少量に減らしたため、パンを取っても問題ないと思った。認識不足だった」と話したという。
陸海空の自衛隊が通達で示している違反行為のうち、1等空尉の行為は金品の取り扱いに関する違反の「公金官物不法領得」で「極めて軽微な場合」とされた。
似たような事例は空自以外でも発覚している。
海上自衛隊では3月、食事の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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