北海道斜里町の知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明となった事故で、第1管区海上保安本部(小樽市)は24日、海上や岩場で10人を見つけたと発表した。男性7人、女性3人で、いずれも死亡が確認された。同日夕時点で船体は見つからず、海上保安庁や道警が捜索を続けるほか、10人の身元の確認を進めている。
事故の原因や違反を調べるため、国土交通省は同日、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)に特別監査に入ったほか、運輸安全委員会も調査官3人を現地に派遣した。
海保によると、26人のうち乗員は2人で、船長の豊田徳幸さん(54)=斜里町=と甲板員の曽山聖(あきら)さん(27)=東京都調布市。乗客は24人で、子ども2人を含む10歳未満から70代という。
斜里町幹部によると、乗客は北海道のほか、福島、東京、千葉、岐阜、大阪、兵庫、香川、福岡の各都道府県などから訪れていたという。家族らが同町を訪れ、安否の情報を待っている。国土交通省は24日、家族らからの相談を24時間受け付ける窓口(03・5253・8969)を開設した。
カズワンは、23日午前10時にウトロの港を出発。知床岬まで航行した後、3時間で戻ってくるコースだった。しかし午後1時13分以降、同本部に「浸水した」との通報があり、「エンジンが止まった」「バッテリーが使えない」といった状況が伝えられた。その後、「船体が30度傾いた」という情報が同社に入ったのを最後に、連絡がとれなくなったという。
海保は23日夕から夜通しで捜索を続け、24日早朝からは海保や海上自衛隊などから船計9隻、航空機なども計11機に増やしたほか、地元漁協なども船10隻を出し、計80人が協力した。
海保によると24日朝以降、知床岬付近で10人を見つけ、搬送した。ライフジャケットを着た人もおり、いずれも大人とみられている。
知床岬は、船から通報があっ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル