不明の陸自ヘリ、事故2分前までは通常の交信 英語で管制官と

成沢解語

 沖縄県宮古島周辺で陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリコプターが消息を絶った事故で、事故直前に管制官と交わした無線連絡の内容が政府関係者への取材でわかった。複数回にわたる短い英語のやり取りで、異常があることはうかがえない内容だった。防衛省は、この交信後のごく短時間で機体に異常が起きたとみている。

 政府関係者によると、ヘリは航空自衛隊宮古島分屯基地を6日午後3時46分ごろ離陸。その際、ヘリ側から宮古島の管制官側に「離陸しました」と伝達。管制官側は「この周波数で管制官とコンタクトしてください」と応じ、ヘリ側は「了解」と返していた。

 同54分ごろには、管制官側からの「下地島の管制圏に入ったら、下地島の周波数でコンタクトしてください」との連絡に、ヘリ側が「了解」と答えた。これが最後のやり取りで、この約2分後の同56分ごろにヘリの機影がレーダーから消失した。

 これらのやりとりは飛行時の通常の内容で、異常を伝えるものはなかったという。

 事故を受け、防衛省と海上保安庁は、機影が消えた地点の周辺海域の捜索を24時間態勢で続けている。海保は事故機に搭載されていた救命ボートのほか、事故機の一部とみられるものを回収したが、隊員10人の安否は8日夕時点でわかっていない。

 海保が回収した機体側面のスライドドアについて防衛省が調べたところ、ロックしてあったことが判明。緊急時に開けようとした形跡がないことになり、異常が起きてから墜落まで極めて短時間だった可能性が高いことがうかがわれるという。(成沢解語)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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