コロナ下になって約2年。不登校の小中学生が20年度は過去最多の約20万人まで増えた中、一斉休校などで不安定になった子どもたちを救おうと、独自の新たな支援策を始める自治体が出てきている。
10月下旬、国史跡にも指定されている北鎌倉の浄智寺(神奈川県鎌倉市)の境内に、市内の小中学生15人が集まっていた。
支援プログラム導入 森で、海で探究 鎌倉市
鎌倉市が今秋から始めた、学校に通うのがつらい子たちのための「かまくらULTLA(ウルトラ)プログラム」だ。異才発掘や生きづらい子の支援をする株式会社SPACE(東京都・福本理恵代表)と連携して行う。
「ULTLA」は「Uniqueness Liberation Through Learning optimization and Assessment=学びの最適化と評価による個性の開放」の英語の頭文字。その子その子の学びの特性を知るアセスメント(客観的評価・分析)を行い、探究活動を組み合わせ、本人に自分を理解してもらう。その上で「登校」にこだわらず、本人の一生の自分らしい学びにつなげる狙いだ。
10月下旬の2日間は「森のプログラム」と題し、浄智寺の竹林を散策したり、庭師と竹について学んだり、竹を使って楽器を製作したりした。1人ずつ端末を持ち、調べ、まとめ、発表しながら探究を進める。一人ひとりに多くのスタッフが寄り添う。
コロナ下の昨年の夏休み明けから登校できなくなった中2の女子生徒(14)は「不登校の理由はよくわからない。学校に疲れたなあと思っていた時に、市の広報紙で不登校支援予算の記事を見つけ、教育委員会に問い合わせてこの公募を知った。学校とも家とも違う居場所を行政がつくってくれるのはありがたい」と話す。
小1から不登校の小6男子児…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル