不自由展、中止のまま期間終了 主催者は再開求め要請へ

関謙次

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止された企画展「表現の不自由展・その後」出展作品の展覧会が11日、6日間の会期を終えた。会場の名古屋市中区の市施設に届いた封筒が破裂した事件の影響で8日から事実上の中止となり、実際の開催は2日間だけだった。主催団体は引き続き4日分の施設使用許可を名古屋市に求める。

 主催団体は会期中の展覧会再開を市に要望してきたが、11日午前、「実際の実力行為があり、警察が捜査に全力を注いでいるが解決していない。これ以上の体制強化は困難だ」と拒否する回答があったという。

 これを受け、主催団体は「市が結果的に脅迫に加担してしまっていることに抗議する」「私たちには4日間の失われた表現の自由を回復させる権利がある」などとする声明を発表。12日以降、同施設での展覧会再開を求めて市に協議を働きかけると表明した。

 主催団体で共同代表を務める久野綾子さんは、市中心部での街頭活動で「残念だが、悔しいと思っているだけでは進まない。再開への市民の声を上げましょう」と呼びかけた。

 展覧会は6日に市施設「市民ギャラリー栄」で始まり、慰安婦を表現した少女像や昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品などを展示した。事件は8日朝に起き、ギャラリーあての封筒を職員がはさみで開けようとしたところ、破裂した。破裂したのは爆竹とみられ、愛知県警が威力業務妨害の疑いで捜査している。事件を受け、市は「安全上の観点」からギャラリーを11日まで臨時休館すると決め、展覧会は事実上の中止となった。(関謙次)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment