愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題で、元慰安婦を象徴する少女像について、芸術祭の芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏が事前に懸念を示して展示を見合わせようとしたものの、企画展の実行委員会から拒絶されていたことが16日、分かった。
津田氏がツイッターで一連の経緯を明らかにした。問題があると認識しながら展示に踏み切った形で、さらに議論を呼びそうだ。
15日夜に更新したツイッターによると、津田氏は昨年12月、過去に同趣旨の「表現の不自由展」を開催した実行委員会に、芸術祭への出品を依頼。ただ、少女像については今年2~3月の打ち合わせで、「様々な懸念が予想されるため、実現が難しくなるだろう」と伝えた。しかし実行委から「少女像を展示できないのならば、その状況こそが検閲」と断固拒否されたという。
また、昭和天皇の肖像を燃やすような映像についても、作者に「新作の出展はコンセプトになじまない」と伝えたが、受け入れられなかった。
津田氏は「この2作品を展示作品に加えた場合、強い抗議運動に晒(さら)されるリスクがあることは理解していた」とした上で、「現場のリスクを減らす判断をするか、“作家(不自由展実行委)”の表現の自由を守るかという難しい2択を迫られた」と説明。実行委と議論する過程で後者を選んだと明かした。混乱を招いたことについては「責任を重く感じている」と謝罪。芸術監督の辞任は否定した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース