参院選(7月21日投開票)に向け、与野党の政策責任者は30日のNHK番組で、憲法改正や社会保障などをめぐって論戦を展開した。与党が改憲議論の必要性を訴えたのに対し、主要野党は消極的な姿勢を示した。野党側は10月の消費税率10%引き上げに反対したほか、老後に2千万円の蓄えが必要とした金融庁金融審議会の報告書の問題点を追及した。
衆院憲法審査会の与党筆頭幹事を務める自民党の新藤義孝政調会長代理は「国の形を整えるという意味で、しっかり訴えたい」と述べ、憲法改正を参院選の争点にする考えを強調した。さらに、与野党幹事が日程に合意しても立憲民主党の枝野幸男代表が許可しない状況に触れ「議論を排除することにならないか」と疑問を呈した。
立憲民主の逢坂誠二政調会長は「憲法違反の集団的自衛権を認めながら9条を変える議論をしているのは許すことができない」と反発。共産党の笠井亮政策委員長は「国民の多数は『安倍改憲』を望んでいない。(憲法審を)動かす必要はない」と主張した。
これに対し、公明党の石田祝稔政調会長は「(憲法審を)やる必要ないというのは暴論だ。国会は議論する場で、憲法の議論はやるべきだ」と批判した。
一方、消費税増税に関し、野党は「消費が安定的に回復する状況を取り戻さず増税することはありえない」(逢坂氏)などと凍結を主張した。与党は景気が回復基調にあることや、増税に伴い幼児教育・保育無償化や景気対策を行うことに触れ、引き上げの必要性を強調した。
金融庁の報告書をめぐり、野党は年金制度への不安とからめて政府側を批判した。国民民主党の泉健太政調会長は「書いてあることは不都合だが真実だ」と述べ、笠井氏は「年金で老後は暮らせないと若い人にも不安が広がっている」と指摘した。
石田氏は「年金制度の安心と人生の安心を混同している」として、制度の持続可能性は確保されていると強調。新藤氏は報告書が「不安や誤解を招いた」として政府に説明を求めつつ、支え手を増やして年金など社会保障を維持していく考えを示した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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