南アルプスや八ケ岳からもたらされる水の恵みを次世代にどう伝えるか。「名水の里」として知られる山梨県北杜(ほくと)市で、水資源を利用する企業・団体と高校生がともに考えるプロジェクトが進んでいる。
9月7日、北杜市の有限会社アグリマインドのガラス温室。高さ約3メートルのトマトの株の列が、垣根のように整然と並ぶ。高校生5人が地下水を利用してトマトを栽培する様子を見学した。
北杜高1年の白倉良紀さんは「親戚がトマトを栽培しているが、あまりにもイメージが違って驚いた。水の大切さはわかっているつもりだったが、改めて実感した」と語った。
これは北杜市が今年度から始めた「世界に誇る『水の山』ユースアイデアプロジェクト」の一環だ。
南アルプスの甲斐駒ケ岳や八ケ岳、茅ケ岳などの山々に囲まれた北杜市は70を超す湧水(ゆうすい)や滝が分布し、日本名水百選にも3カ所が選ばれている。
市はそれらの名水をブランド化して世界に発信しようと、2015年に「世界に誇る『水の山』宣言」を発出した。さらに、水環境の保全に賛同する七つの企業・団体とパートナー協定を結んだ。
今回のプロジェクトは学校も加わり、協定を結んだ企業側と高校生を結びつけて「水と暮らすサステイナブルなまち 北杜市」をめざして交流。将来に向けたアイデアを提言してもらう企画だ。
SDGsの目標6で「安全な水とトイレを世界中に」が掲げられている。水は目標15の「陸の豊かさも守ろう」などとも関連がある。
「農業の概念が覆った」「未来の姿を見た」
アグリマインドで出迎えたの…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル