榎本瑞希
世界の核保有国が持つ核弾頭の概数を一覧できるポスターを長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)が作り、情勢分析とともに11日に公表した。総数は1万3130発で昨年より280発減ったが、合わせて約9割を保有する米国とロシアの実質的な削減が停滞し、英国が増強を発表したことなどから、研究チームは「単純に喜べる状況ではない」としている。
各国政府の白書や米国科学者連盟の研究発表などの公表資料をもとに、今月1日現在の推計値をまとめた。米国(5550発)とロシア(6260発)は前年より計360発減ったが、退役・解体待ちを除く核弾頭の削減は近年停滞。中国(350発)、インド(160発)、パキスタン(165発)、北朝鮮(40発)は前年に続いて増えた。また、英国(225発)も増加に転じた。
今年1月、核兵器の保有や開発などを全面的に禁じる核兵器禁止条約が発効したが、現時点で核保有国は加わる意向はない。RECNAの中村桂子准教授は「保有国と非保有国の溝がますます広がっている」と危機感を示した。
ポスターは2013年から教材として作成し、全国の教育委員会や図書館などに配布している。分析資料や国別の情勢はRECNAのウェブサイト(https://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/recna/
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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