コロナ禍で1年延期され、来年5月に開催予定だった国際的な生涯スポーツの祭典「ワールドマスターズゲームズ(WMG)2021関西」の組織委員会は26日、大会の再延期を国際マスターズゲームズ協会(IMGA)に提案すると発表した。2025年に台湾で開かれる次の大会への影響を考慮し、翌26年5月の開催を求めてIMGAと交渉するという。
組織委によると、新型コロナの影響で、①海外の参加者が自由に入国できる②まん延防止等重点措置以上の対策がとられていない――という組織委の開催基準を満たせるかが不透明だと判断した。大阪市内で記者会見をした木下博夫・組織委事務総長は「一般的な競技大会とは異なり、海外からの参加者が地元の方々と交流したり、地域の文化・産品を見聞きしたりするのも大きな目的。苦渋の判断だった」と話した。
組織委はIMGAに再延期を11月中に決定するよう求めるが、交渉次第では開催がさらに後ろ倒しになる可能性もあるという。開催時期について台湾側からは「日本側の考えを尊重する。連携したい」との回答を得たという。
WMGは4年ごとに開かれ、10回目の関西大会はアジアで初の開催。過去最大規模の5万人(うち国外から2万人)の参加を目標としていた。
WMGはおおむね30歳以上なら、競技経験を問わずほぼ誰でも参加できる。近畿2府4県と徳島、鳥取、岡山、福井各県の会場で、陸上や野球、バスケットボールなど35競技59種目を実施する計画。経済効果は約1500億円を目標としている。(島脇健史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル