江戸時代末期の日本や中国、インドなどで作られた約90組の鍵と錠が、愛知県あま市の民家で見つかった。構造が複雑なからくり錠や、精巧な文様が刻まれた錠など様々。所有者から引き取った市美和歴史民俗資料館(同市)は来月から一般公開をすることにしている。
この鍵と錠は、市内の60代の女性から「亡くなった実父の収集品だった」と相談を受け、同館が引き取った。亡父は画家で、世界各地を旅行した際に入手したらしい。
同館が、形状や文様を専門書などで調べたところ、日本のほか、朝鮮、中国、チベット、ネパール、インドなどで作られたもので、西アジアのものもあった。鍵を2本使って開けるからくり錠、鍵の先端でバネを狭めて押し出して開ける海老錠(えびじょう)、回転させて、「孟・六・坤」などと文字を組み合わせて開ける文字合わせ錠と、構造は多岐にわたる。
日本製の7組のうち、5組は江戸末期~明治に作られたものだった。100年以上前の中国・清の時代に作られたとみられる錠もあった。馬や牛、ネズミ、サソリなどの形をしていたり、表面に精巧な文様が刻まれていたりと様々。今も使える錠も少なくない。
11月1日から展示する予定。担当する市生涯学習課の渡辺彩希主事は「日本、そして国ごとに、それぞれ特徴があって面白い。貴重な機会なのでぜひ見て欲しい」と話している。問い合わせは、同館(052・442・8522)へ。(臼井昭仁)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル