奈良山雅俊
真冬の荒波で倒壊した北海道留萌市の留萌港西防波堤南灯台がこのほど再建され、4年ぶりに日本海沖に緑色の光を放った。
南灯台は2017年12月26日、発達した低気圧による荒波で根元付近から折れ、海底に沈んだ。この日の留萌は暴風雪で、最大瞬間風速27・2メートルの強風が吹き荒れていた。同月31日に仮設置した簡易灯台も約10日後、また荒波で流失。より強固にして再設置した。その後、本体は海中から引き揚げられた。
新しい灯台は高さ17・6メートル(土台含む)で旧灯台より1・8メートル高くなった。電源は太陽光。光源はLEDで、光の届く距離は約14キロと1キロ伸びた。再建費用は約3千万円で、10月14日に点滅を開始した。
荒波や暴風雪にさらされる防波堤灯台の寿命は50年から100年といわれる。南灯台の設置は1975年で、40年余りで倒壊した。地震や津波で倒壊することはあるが、荒波での倒壊は珍しく、「吹雪の街」で知られ、暴風雪には慣れっ子の留萌市民も、当時は「灯台がモゲたってよ」と驚いていた。
留萌海上保安部の佐々田雄二次長は「留萌の海は世界3大波濤(はとう)の一つで、荒波は半端じゃない。波と一緒に流木がぶつかることもある。今度は灯台の規模を大きくしたので長く持つと思う」と話していた。(奈良山雅俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル