去る10月15日から21日は「新聞週間」であった。「報道の使命と責任に対する自覚を新たにし、報道の役割について広く理解を求める機会」とされる。読者や幅広い社会に向けて、新聞が手がけるニュースの魅力をアピールする期間というわけである。
各紙は紙面でこの1年の自社の報道の成果を示した。例えば、各種のスクープやデジタル技術を駆使した社会課題の解決に役立つニュースの発信といった、新たな取り組みの紹介である。また、インターネット上に虚実入り交じった情報があふれる中で、現場の取材に基づいた新聞の情報の信頼性や正確性も強調された。
毎年、新聞週間に合わせて世論調査を実施している読売は、今年の調査結果に関して「新聞報道を信頼し、新聞が事実を正確に伝えていると考える人が7割を超えた」と評価した。その一方で、気になるデータもある。18~39歳では新聞を「全く読まない」割合が57%に達したという。10年前の同社の調査を調べてみると、「全く読まない」割合は20代で18%、30代で11%だった。この間に「新聞離れ」が急速に拡大したことがうかがえる。
ただし、これを単なる「新聞離れ」とまとめてしまうと、全体を見誤ることになる。現在、さらに深刻な「ニュース離れ」が世界規模で進んでいる点に注目する必要がある。
英国のロイタージャーナリズ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル