世界遺産の奈良・興福寺、新潟の醸造会社と酒造り そのわけは

 国宝の阿修羅像などで知られる世界遺産の興福寺(奈良市)が、清酒「八海山」を手がける八海醸造(新潟県南魚沼市)と、新たな日本酒を造った。10月9日から始まる五重塔(国宝)の特別公開に合わせ、境内の国宝館で2千本限定で売り出すのだが、なぜ寺と酒なのだろう。

約1千トンの雪で冷やされた雪室に瓶詰の日本酒が貯蔵されている。左に森谷英俊興福寺貫首らが小さく見える=2021年3月25日午後0時5分、新潟県南魚沼市、岡田匠撮影

 南魚沼市で八海醸造が展開する「魚沼の里」に、八海山を仕込む酒蔵やビール醸造所、そば店などが並ぶ。「雪室(ゆきむろ)」と呼ばれる建物も立つ。周辺に降り積もった約1千トンの雪を運び入れた天然の冷蔵庫だ。電気を使わずに雪だけで冷やし、室温は2~5度、湿度は約90%に保たれている。

 この雪室に、興福寺と手がけた2千本の4合瓶が貯蔵されている。1月に仕込んだ。瓶詰めし、2月下旬に雪室に入れた。9月下旬まで熟成させるという。

雪室で杜氏の田中勉さん(左)から説明を受ける森谷英俊貫首=2021年3月25日午後0時2分、新潟県南魚沼市、岡田匠撮影

 一帯は日本有数の豪雪地帯だ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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