中山直樹
福岡市西区の自宅で両親を殺害したなどとして、殺人と死体遺棄の罪に問われている次男で無職の松本淳二被告(60)の裁判員裁判の論告求刑公判が19日、福岡地裁(鈴嶋晋一裁判長)であった。検察側は「容赦のない冷酷な犯行で悪質」として、無期懲役を求刑した。判決は来年1月6日。
検察側は論告で、引きこもりだった松本被告が事件当日、父博和さん(当時88)から初めてトイレの介助を頼まれただけで殺害を決意したと主張。「『介護疲れ』とは異なる」と述べた。母満喜枝さん(同87)を口封じのために殺害したとし、「酌量の余地はない」とした。
弁護側は、絞殺という手段が、過去に無期懲役の判決が出ている殺人事件と比べて残虐性が低いとし、松本被告が公判で起訴内容を認めて素直に供述していることなどを挙げ、懲役23年程度の有期刑が相当だと主張した。
起訴状によると、松本被告は昨年6月20日、同居していた博和さんの首を電気ポットのコードで絞めて殺害し、元酒店の自宅にあった冷蔵ケースに遺体を運び入れて遺棄。目撃した満喜枝さんの首をコードで絞め、冷蔵ケース内で窒息死させたとされる。(中山直樹)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル