茨城県を訪問していた天皇、皇后両陛下は29日、日立市の森林総合研究所林木育種センターを視察した。昭和30年代に全国の山から集めた成長の早い樹木900種をもとに品種改良を重ねた「エリートツリー」を視察。天皇陛下は「成長がだいぶ違いますね」と驚いていた。
日立市にあるウミウの捕獲施設も視察した。岐阜県の長良川など全国11カ所で続いている伝統漁法「鵜飼(うか)い」の鵜にするため、渡り鳥の野鳥ウミウを捕らえる全国唯一の施設。
碁石ケ浦の崖の上におとりのウミウを放し、誘われて止まったウミウを後ろから先端にカギのついた棒でひっかけてつかまえる伝統的な捕獲法。天皇陛下は「(引っかけられた鳥は)ケガをしないのですか」とたずね、皇后さまとともに「ウミウはどういう鳥なのかな」と関心を寄せている様子だった。
代替わり後、初めての茨城県訪問となった今回。2日間の日程では、行く先々で多くの人たちが待ち受けた。初日の28日には、沿道などに3万人以上の市民が集まった。29日も行く先々に人垣が続き、「雅子さま」とかかれた大きな紙が掲げられたり、「陛下ー」と歓声が飛んだりした。両陛下は移動する車中で、窓を開けて手を振り続けた。(斎藤智子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル