天皇、皇后両陛下は30日、島根県大田市の三瓶山(さんべさん)北の原であった第71回全国植樹祭に、東京の赤坂御用地からオンラインで参加した。新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮したためで、「四大行幸啓」といわれる定例地方訪問へのオンライン参加は初めて。
今回の開催理念は森林の循環利用。天皇陛下がスギ、皇后さまがヤマザクラなどの苗を植える様子がライブ配信されたほか、同じ会場で1971年に昭和天皇が植え、91年の全国育樹祭で皇太子だった天皇陛下が枝打ちしたクロマツの収穫もあった。天皇陛下は「人々が連携、協力することにより、植えて、育てて使い、また植えるといった『緑の循環』が広く実現することを期待します」と述べた。
新型コロナの影響で開催は1年延期されていた。招待者は当初の約4千人から約1千人に縮小した。島根をのぞく46都道府県のうち、26都道府県の代表者らもオンラインで参加した。(清水優志)
式典会場にライブ配信 コロナ下の交流模索
全国植樹祭は天皇、皇后両陛下の定例地方訪問「四大行幸啓」の一つ。ほかには、上皇ご夫妻が平成時代に出席し、両陛下が引き継いだ国民体育大会と全国豊かな海づくり大会、現天皇陛下が皇太子時代から出席してきた国民文化祭がある。側近によると、陛下はこれらの行事で地方を訪れ、住民と交流することを象徴天皇として大切な機会と捉えてきた。
だが昨年はコロナ禍ですべて…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル