両陛下ゆかりの人から祝福の声「時のたつのは本当に早い」「全体に目配りされるビオラ奏者」「水」問題、ご即位後も(産経新聞)

 皇居・宮殿で22日、「即位礼正殿の儀」が挙行される。一世一度の舞台に臨まれる天皇、皇后両陛下に、ゆかりのある人々から祝福の声が寄せられている。

 ■元東宮侍従の竹元正美さん(74)

 「時のたつのは本当に早い」

 東宮侍従を務めていた昭和61年、天皇、皇后両陛下が出会われる場となったスペインのエレナ王女との茶会の準備にあたった。若い王女と年齢の近い方をということで、招待者に「お嬢さまもご一緒に」と声をかけたところ、当時外務省条約局長だった小和田恒(ひさし)さんに伴われ、娘の皇后さまが参加された。まるでこの間のことのようで、時のたつのは本当に早いと感じる。

 5月の御代替わり以降、両陛下は順調に公務に取り組まれているとお見受けする。同月にはトランプ米大統領夫妻を迎え、国賓の接遇もこなされた。お二方とも語学は堪能だが、幼少期から海外で生活経験のある皇后さまは海外の文化や、コミュニケーションの取り方への理解が深いという意味で、国際親善に果たされる役割は大きい。両陛下がそろってご公務に取り組む姿を見せられたことで、国民も令和の皇室に非常に良い印象を抱いていると感じる。

 22日の「即位の礼」は、世界に向けて日本の皇室やその文化、伝統を発信する機会になる。両陛下が出会ってから、さまざまな時期を乗り越えてこの日を迎え、国内外から広く祝福を受けられることは感慨深い。

 ■音楽仲間の白石都志雄さん(59)

 「全体に目配りされるビオラ奏者」

 私が学習院大の音楽部に1年生で入部したとき、ビオラ奏者の陛下は2学年上の先輩として在籍されていた。部内では陛下に対して特別扱いはなく、「殿下」の「でん」を取り「でんでん」という愛称で呼ばれることもあった。

 夏合宿では、宿泊先のホテルで護衛の目を盗み、陛下が寝室の窓から外に出て別の部屋の宴会に参加されたこともあった。学生らしく青春を謳歌されていた。

 ビオラは中音域を担当する弦楽器だ。高音のバイオリンに対しては低音で支えるが、チェロ、コントラバスとハーモニーを作る際には、高音としてリーダーシップが必要となる。二面性をもつビオラは全体に目配りするポジション。誰に対しても気遣いを忘れない陛下のお人柄にも通じる。

 英国留学を経て、皇族としてもお忙しくなった陛下のために、音楽仲間と「梓室内管弦楽団」を結成した。現在活動は休止しているが、当時は月に1回程度、お住まいに集まり、陛下と一緒に演奏した。

 即位後、全力で天皇の務めを果たされている陛下にとって、音楽は癒やしとなる。皇太子時代と同様に、演奏を楽しむ機会を持っていただけたらと思う。

 ■政策研究大学院大学・広木謙三教授(60)

 「水」問題、ご即位後も

 今年8月、天皇陛下の即位後初めて、研究を続けられる「水」問題で進講する機会に恵まれた。即位後は研究時間が不足する懸念もあったが、当日は陛下からさまざまなご質問があり、予定を1時間近くオーバーした。改めて陛下のご熱意を感じた。

 当日は主に昨年のインドネシアでの津波被害の話をした。同国では津波にまつわる地名が多く残るが、由来となった現地語を知らない新住民も多く、被害が伝承されていないという。「語り継がれること、記憶に残すことが大切ですね」。陛下はそう話された。

 環境、気候変動、貧困などの問題は世界と連帯なしに進めない。陛下は日本の立ち位置を十分理解され、こうした課題に関心を深められた。陛下のご研究は現場主義で誠実。講演などの場でも、自らの体験を踏まえて話されるため、世界から高く評価されている。

 「水」問題を通じ、陛下と親しいオランダのアレクサンダー国王、ハンガリーのアーデル大統領らは、ご即位前から私に「10月には必ず日本に行く」と言っていた。水でつながる世界のリーダー、王族は22日の晴れ舞台を心待ちにしている。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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