2030年度に予定される北海道新幹線の札幌延伸に伴い、JR北海道から経営分離されることになっている並行在来線の函館―長万部間(約148キロ)について、朝日新聞は沿線7市町の首長に対しアンケートを行った。函館市と北斗市、七飯町が函館―新函館北斗間(約18キロ)の存続を求めた。全線または一部の廃止もやむを得ないと答える首長もおり、大部分の存続が極めて難しい情勢だ。
函館―長万部間はJR貨物の列車が往来する本州と道内を結ぶ貨物の大動脈でもあります。貨物網の維持の議論が旅客線の存廃をも占いそうです。
アンケートは10月下旬から11月上旬にかけて、函館市、北斗市、七飯(ななえ)町、鹿部町、森町、八雲町、長万部(おしゃまんべ)町の首長を対象に実施した。
新幹線が停車する新函館北斗駅と函館駅を結ぶ「はこだてライナー」の存続に向けて、近隣の函館、北斗、七飯の3市町の首長がほぼ足並みがそろった。
函館市の工藤寿樹市長は「他の区間の存廃については判断できない」としつつ、はこだてライナーは「存続を実現したい」と回答した。
北海道がまとめた収支予測によると、全線を第三セクターで維持した場合、30年間の累計赤字は約817億円。函館―新函館北斗間を三セクとして鉄路を維持、他区間をバス転換した場合でも30年間で約510億円の赤字が見こまれている。
工藤市長は「(道の)収支見通しなどが十分でないことから、さらなる精査・検討を要する」と指摘。北斗市の池田達雄市長も「運行赤字が非常に大きな金額で、今後検証が必要だ」と訴えた。
七飯町民は、はこだてライナーを通勤や通学、通院などに利用する。杉原太町長は「他市町と協力して経費の圧縮を進め、存続する形をめざしていきたい」とした。
一方、全線または一部の廃線・バス転換を容認する声もあがる。
鹿部町の盛田昌彦町長は、7…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル