中古車の「修復歴なし」は本当か? 表示偽った販売店「もう懲りた」

消費者庁から措置命令を受けた販売店は、中古車情報サイトで「修復歴なし」と事実と異なる表示をしていた=阪田隼人撮影

 大きな損傷を受けて修復した中古車をインターネット上で出品する際に「修復歴なし」と表示したとして、中古車販売店が昨年末、消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)の措置命令を相次いで受けた。消費者にとって中古車選びで、修復歴の有無は大きな判断材料となるが、トラブルの相談があとを絶たない。

 「少しでも高く売りたい、というのはあったが、1、2万円のためにやることはなかった。もう懲りた」。昨年12月、景品表示法違反の措置命令を受けた愛媛県内の中古車販売店代表の男性は、記者の取材に後悔を口にした。

 この販売店は2012年12月~昨年12月、車体の骨格部分に修復歴がある15台を、中古車情報サイトで「修復歴なし」として掲載。うち3台は走行距離についても4千~1万8千キロ程度、実際より短く表示していた。15台の中には、実際に客が購入した車もあるという。

 販売店に並ぶ中古車は通常、業者間のオークションで落札したものか、持ち主から直接買い取ったものだ。オークションの場合は業者が、直接買い取りの場合は販売店が、車を査定したり、他の業者に査定を依頼したりするという。

 男性はオークションで「修復歴あり」の車を落札し、自身が出品する際に「なし」の表示に変えたことを認めた。

 業界団体によると、「修復歴」は、ピラーやクロスメンバーと呼ばれる車体の骨格部分が損傷を受けた場合を指し、ドア交換や塗装を塗り直しただけでは「修復」とはならない。より衝撃の強い事故歴の可能性を意味し、業界の統一ルールとして定着している。

 販売時の適正表示を推進する業界団体「自動車公正取引協議会」(約2万社加盟)に聞くと、損傷の程度によっては、修復しても強度が弱くなったり、不十分な修復で走行に支障をきたしたりする可能性もあり得るという。修復されても、消費者心理として敬遠されがちで価格は下がる。

 修復歴を偽ると販売価格はどのくらい変わるのか。

 店の男性は、登録年度から2…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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