中国海警の公船がいつも航行 「尖閣の海は以前と変わってしまった」

現場へ! 沖縄で安保を考える④

 1月31日未明、沖縄県石垣市の我喜屋(がきや)隆次市議は乗船した東海大学の調査船「望星丸」(2174トン)の甲板に出た。真っ暗な海面のかなたに、緑と赤のライトが浮かんでいた。

 そばにいた仲間均市議が「赤は中国海警、緑は海上保安庁の船だよ」と教えてくれた。我喜屋市議は、尖閣諸島の近くまで来たことを実感した。

 石垣市は翌2月1日、中山義隆市長らが前日朝に海上視察をしたと発表した。午前7時ごろから尖閣諸島の魚釣(うおつり)島、北小島、南小島の3島周辺を船から約2時間視察し、魚釣島には最短約1・8キロまで近づいた。現職市長が市の調査として尖閣周辺海域を訪れるのは初めてという。

 我喜屋市議によれば、海保の巡視船4隻が、調査船の右舷と左舷にいて、その外側を海警が航行していた。海警が進行方向を遮るように接近し、日本の海保が防いでいた。「尖閣の海は以前と全く変わってしまった。中国の公船が常にいる状態。尖閣諸島が石垣市の行政区域であることを内外に発信すべきだ」と語る。

 仲間市議の話では、海上視察の計画は昨年秋ごろから浮上していた。調査船を保護する必要がある防衛省・自衛隊と海上保安庁には事前に計画を伝えたほか、事前に情報が漏れないよう細心の注意を払ったという。2月4日に開幕する北京冬季五輪の直前に調査すれば、中国も五輪への影響を避けるため、極端な行動には出ないだろうという計算もあった。

 仲間市議は1995年以降、何度も尖閣沖で漁をしてきた。尖閣諸島への上陸は国会議員との同行を含め、計16回を数える。

 海上保安庁によれば、1千トン以上の船舶でみた場合、2012年の尖閣国有化当時に中国海警局の公船は40隻で、海保の51隻を下回っていた。ところが、19年末には海警の公船は130隻にも達した。同年度末の海保巡視船は66隻に過ぎない。

 日本政府は過去、米国に対し…

この記事は有料会員記事です。残り586文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment