中学受験に、保護者はどんな心持ちで臨めばいいのか。中学受験をテーマにした作品で知られる3人の作家に聞きました。
■「御三家ウォーズ」 佐野倫子さん
小1と小5の子どもがいます。11年前に港区に移り住んだら、周囲の受験への関心が非常に高くて。その経験などをもとに「御三家ウォーズ」を書きました。
東京、特に港区は、体感で中学受験組が100%近い学校もある。そうなると、最初は受験を考えていなかった親も、考えざるを得なくなると思います。受験の情報は、塾やネット発信のものが多くて、みんなすごく踊らされるんですよね。
都心は、本当に受験熱が過熱していて、低学年でも満員で入れない塾もあります。親になってみて思うのは、気候変動や格差社会など、時代が変わる中で、将来への不安がすごくある。だから、その不安が全部、教育にいってしまう。教育を与えて、子どもを強くしてあげたくなってしまう。
さらに東京には、学力をつけるための「武器」を売る業者がたくさんいる。「1時間数万円だが、すごい家庭教師がいる」などの情報が入ってきて、つい「あと5点上がれば、(塾の)上のクラスに行ける」と思ってしまう。
漫画「二月の勝者―絶対合格の教室―」の高瀬志帆さん、小説「翼の翼」の朝比奈あすかさんにも聞きました。
そういう時、家族にとっての…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル