中学受験「天王山の夏」を失敗しても… 家族の支えで変わる未来

 受験生にとって夏は、勝負時の「天王山」とも言われます。その夏から秋にかけて、中学受験生や家族は何に気をつけて過ごせばいいのでしょうか。「保護者に一番大切にして欲しいことがあります」と、大手進学塾・浜学園の松本茂学園長は話します。

 ――夏休みも終わりが近づきました。これから秋にかけては、中学受験生にとって、どんな時期になりますか。

 自分にとって、「できないこと」が何かを知る時期だと思います。これまで子どもたちは、目の前の大量の課題をひたすらこなしてきました。新しい知識を得て、消化する。ひたすら前に進み続けてきました。そこで一度立ち止まり、振り返ってほしいのが、今の時期です。

 受験勉強というものは、そもそも時間が足りません。限られた時間の中で、自分にとって、「できる」「できない」を見極め、取捨選択する必要があります。

 ――具体的にはどういうことでしょうか。

 たとえば理科で言うと、物理・化学・生物・地学の分野の中で、子どもたちは、それぞれ必ずつまずく単元があります。昆虫の生態は得意だけれど、電気回路の問題は嫌い、というように。

 本来、勉強は苦手なものから始めないといけません。しかし、入学試験では、その逆向きの動きをしないといけない。解ける問題から解く必要があるのです。時間は有限なので、自分の苦手分野を知り、優先順位をつけ、終わらせることを考えないといけない。受験本番に向けて、子どもたちが、そのような先を見据えた意識を持てるかどうかが大切になってきます。

関西屈指の大手進学塾、浜学園。子どもたちの中学受験を支え続けてきた松本茂学園長は、保護者の考え方が大切だと言います。新型コロナウイルスの5類移行で、今年ならではの注意点も。詳しく聞きました。

約束は守る 子どものやる気を失わせない親の行動

 ――保護者は、どう手助けをすればいいでしょうか。

 親は、我慢する必要がありま…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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