首都圏の中学入試がほぼ終わった。次の目標である大学受験を見据え、早くも塾に入る子どもも少なくない。受験を終えた子どもたちはこの時期、どう過ごせばよいのか。(川口敦子、塩入彩、編集委員・宮坂麻子)
「合格おめでとう 次は東大」
1月中旬、中高一貫校生向けの「東大受験指導専門塾」をうたう「鉄緑会(てつりょくかい)」(東京都渋谷区)のホームページに、新中1を対象にした説明会の案内がアップされた。
「中学入学はそれ自体がゴールなのではありません」「大学受験の準備は早ければ早いほど有利となります」――。
東大412人という昨年の東京本校の合格実績とともに、生徒や保護者を刺激する言葉が並ぶ。「東大合格のための最も確実で合理的な方法を伝授します」
東大医学部、法学部の学生、卒業生によって1983年に設立された同塾は、講師のほとんどが東大の学部生や院生、卒業生だ。現在は、ベネッセホールディングスの傘下に入り、東京と大阪に拠点を構える。
「ありがたいことに、入会希望者は年々増えています」と同塾の冨田賢太郎会長は言う。
大阪は1月中旬ごろから、東京は難関校の中学受験が終わった2月初旬ごろから入会の申し込みが相次ぐ。特に東京の場合、中1の4月開講までの入会なら、開成や桜蔭、筑波大付属駒場など、一部の「指定校」の合格者は選抜試験なしで入塾できる。指定校は昨年より1校増え、14校ある。
昨年のこの時期に入会した生徒は約1千人で、3年前より200人ほど増加。今年も2月17日時点で、すでに800人以上の申し込みがあった。大阪校も、入会希望者が増加傾向にあるという。
最近では、生徒の親が鉄緑会の卒業生であるケースも多くなっているといい、「塾での学習が効率的だと保護者自身がよく認識している」と冨田会長。同塾では、目標を「東大合格」と明確にし、中学3年間で習う英語や数学を中1の1年間で完了する。中学入学以降に途中入会も可能だが、「追いつくには、一定の苦労はある」と言う。
この時期に入塾希望者が殺到するのは鉄緑会だけではない。
東京都渋谷区にある英語専門…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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