広島県福山市神辺町の市立神辺中学校で2018年9月、男子生徒が理科の実験中に手の指を切断する事故があり、福山市教委は卒業した男子生徒に慰謝料や治療費など約447万円を賠償する方針を決めた。市側が30日、市議会6月定例会に提出する関連議案を明らかにした。
市教委によると、事故は男性教諭の指示で「慣性の法則」を学ぶ実験を廊下で行った際に起きた。男子生徒は別の生徒を乗せた台車を押す役だったが、バランスを崩した台車が倒れ、男子生徒は台車の持ち手と床の間に手を挟まれ、左手中指の先を切断したという。
市教委は当時、校長を通じて担当教諭に再発防止を指導した一方、「保護者の意向」などを理由に事故を公表しなかった。
賠償を決めたことについて、市教委学事課は「台車は荷物用で、人を乗せるものではない。実験は安全に対する配慮が不十分だった。学校における安全管理を徹底する」としている。(西本秀)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル