中学生棋士は将来の名人候補だった 屈辱の挫折から栄冠

 第78期将棋名人戦七番勝負が15日に第6局で決着し、タイトル獲得25期の実績を誇る挑戦者の渡辺明二冠(36)が初めて名人の座を奪った。プロ入りから20年での悲願達成で、八つあるタイトルのうち三つを占め、名実共に第一人者となった。

 午後5時38分、豊島将之名人(30)が「負けました」と告げて頭を下げると渡辺挑戦者も頭を下げた。「(名人の)実感はないです」。渡辺挑戦者は時折考え込みながら、報道陣の質問に淡々と答えた。

 竜王とあわせて二冠の豊島名人と、開幕時点で棋王・王将・棋聖の三冠の渡辺挑戦者の対局は「頂上決戦」として注目された。渡辺挑戦者は6月末の第3局を終えた時点で1勝2敗。7月には藤井聡太棋聖(18)に敗れて最年少タイトル獲得の記録達成を許し、悪い流れの中にいた。

 だが、同月下旬の第4局で終盤の競り合いを制すると、第5局、第6局も勝利。うまく立て直して名人奪取につなげた。

 2000年、中学3年の時にプ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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