アフガニスタンで人道支援に尽力し、2019年に73歳で凶弾に倒れた医師、中村哲さんの功績や志を映像や言葉で伝える「メモリアルアーカイブ」が母校の九州大学に完成し、21日に記念セレモニーがあった。
アーカイブは、伊都キャンパス(福岡市西区)にある中央図書館の一角の約40平方メートル。アフガニスタンでの活動を振り返る映像や中村さんの著書が展示されているほか、学生たちが選んだ中村さんの13の言葉がガラスに刻まれている。
セレモニーで石橋達朗・九大総長は「突然の訃報(ふほう)は九大にとってもいまだ深い悲しみだが、中村先生の資料や映像は私たちを後押しし、心を揺さぶる。中村先生の生き方、思いをつないでいければ」とあいさつした。アーカイブの設立には中村さんを支えた「ペシャワール会」も協力した。村上優会長は「多くの方が研究し、後世に伝える拠点を大学に置いていただいたことは喜ばしい。多くの方に知ってもらえれば」と期待を込めた。
メモリアルアーカイブは新型コロナウイルスの感染が落ち着けば一般来館も受け付ける予定。生前の新聞記事などをインターネットで自由に閲覧できる「中村哲著述アーカイブ」も、九大付属図書館のサイトでこの日から公開が始まった。
中村さんは1973年に医学部を卒業。2014年から特別主幹教授を務めた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル