中部空港(愛知県常滑市)の沖合で進む土砂の埋め立て工事を巡る談合事件で、国土交通省中部地方整備局が当初の方針と異なる方法で入札を実施していたことがわかった。県警は逮捕された同省元幹部(61)が落札業者に利益を与えるために方針変更を主導したとみている。元幹部らは関連工事の入札でも不正を働いたとして再逮捕されており、勾留20日満期の7日に向けて詰めの捜査が進む。
この元幹部は、同局の出先機関の名古屋港湾事務所の所長だった藤田亨被告。同事務所は、問題となった埋め立て工事に必要な石材の調達を巡る入札の計画案を作る業務を担っていた。
この事件では、藤田被告のほか、落札した採石業者「丸昇石材」(三重県尾鷲市)の元会長・小倉章弘被告(65)が入札で不正を働いたとして公契約関係競売入札妨害などの罪で逮捕・起訴された。
同局によると、中部空港沖の埋め立て工事の計画が持ち上がったのは2010年。名古屋港で発生する土砂の仮置き場の受け入れ許容量が限界に近づいたため、正式な処分場が必要になったためだ。
14年に同局内にプロジェクトチームが発足し、19年3月には具体的な計画案が公表された。約15年かけて滑走路の西側を埋め立てる計画で、処分場を囲む護岸工事だけで1750億円にもなる巨大事業だ。
当初の計画では工事を担う建…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル