事業者向けの電力供給をめぐり、互いの営業活動を制限するカルテルを結んでいる疑いがあるとして、公正取引委員会は13日、中部電力と販売子会社の中部電力ミライズ(いずれも名古屋市)、関西電力(大阪市)、中国電力(広島市)の4社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査をした。公取委がカルテル容疑で電力会社に立ち入り検査に入るのは初めて。
また、家庭向けの電力や都市ガスの価格を維持するカルテルを中部電力側と結んでいる疑いで、東邦ガス(名古屋市)にも立ち入り検査に入った。競争原理を失わせるカルテルは、電力やガスの小売り自由化を骨抜きにしかねない。価格が高止まりするなど、利用者側が不利益を強いられている恐れもある。
関係者によると、大手電力系4社のカルテル容疑は、中小ビル・工場向けの「高圧」、オフィスビル・大規模工場向けの「特別高圧」の電力供給をめぐるもの。各社が従来、電力を供給してきた区域外では積極的な営業活動をせず、顧客を奪い合わないようにしていた疑いがある。合意は関電と中部電、関電と中国電それぞれの間で交わされていたとみられるという。
東邦ガス、中部電力、中部電力ミライズの3社は、中部エリアでの「低圧」電力と都市ガスの供給で、価格を維持するカルテルを結んでいる疑いがある。いずれも2018年ごろから始まったとみられるという。
各社は立ち入り検査を認め、中部電、関電、東邦ガスは「全面的に協力していく」、中国電は「現時点ではコメントできない」としている。
電力・ガス取引監視等委員会の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル